TOP > 高校留学World情報通信 > 高校留学のメリット・デメリットを紹介!成功させるためのポイントも紹介
10代の時期に留学を経験することで、社会で必要とされるスキルが柔軟に身につき将来の選択肢が広がるなど、語学の習得以外にも多くのメリットがあります。今回は高校留学のメリットやデメリット、成功させるためのポイントを紹介します。
留学は大学生や社会人になってからも可能ですが、高校生のうちに留学すると以下のような多くのメリットが得られます。
高校留学をすると、早いスピードで英語習得ができる点が大きなメリットです。語学の習得は若いうちほど吸収が早いといわれており、反対に外国語に触れる年齢が遅くなるほど、習得までに相当な時間と労力を使います。大学生や社会人になってからでも留学のチャンスはありますが、語学の習得に関してはなるべく早い段階で取り組んだほうが苦労は少ないといえます。
また、英語の環境で過ごすことで「使える英語」を習得しやすくなります。高校留学の生活は、主にホームステイや寮です。ホームステイは現地のホストファミリーの家で暮らし、寮の場合は同じ高校の仲間と共同で生活します。学校の授業は英語で行われ、まさに英語の環境に囲まれる毎日です。
高校生のうちに英語を習得できれば、大学入試にも有利になります。2020年度からの大学入学共通テストは、従来の「読む」「聞く」の2技能に、「話す」「書く」が加わった4技能が評価されるようになりました。
社会のグローバル化が急速に進んでいることにより、「相手が話す内容を理解」して「自分の意見を伝える」という、使える英語が社会で必要とされています。そのため、日本の高校教育でも単語や文法を覚える従来の教育方法ではなく、英語でのコミュニケーション能力を高められることが求められています。
高校留学は、脳に柔軟性があり物覚えが早い10代のうちに英語の環境に身を置くことになり、日本の授業や勉強だけでは得られないスピードで吸収できるようになるでしょう。
高校留学は、進路の選択肢が広がる点も大きなメリットです。留学先を自分でしっかりと選択することは、将来やりたいことを考え、目標を持つきっかけにもなります。また、科目を選んで授業を受けられるため、好きなことややりたいことが見つけやすくなります。
大学生は、専門的でより高度な知識を学ぶことが目的であるため学業がメインです。しかし、高校生は自分の興味のあることや、将来やりたいことを見つける人格形成の時期でもあります。この時期に親元を離れ異文化の環境で生活し、日本では得られない経験をすることで、視野が大きく広がり将来の選択肢は広がるでしょう。
もちろん留学によって語学力がアップすれば、将来的に海外で働いたりグローバルな企業に勤めたりといった、活躍する場も大きく広がります。
高校留学で海外の授業を受けると、コミュニケーションスキルが養われます。日本の高校は、先生の授業を聞いてノートに書くというスタイルが中心です。しかし、海外の授業はディスカッションが中心で生徒も積極的に発言しています。
ディスカッションでは「自分はこう思う」というような自分の考えを持ち、意見をしっかりと伝えることが重要視されます。「英語が間違っている」ということよりも、積極的に発言することが評価につながるため、失敗することを恐れずどんどん発言することが大切です。
たくさん発言することで、やる気のある生徒だと先生が見てくれるようになり、周りからサポートしてもらいやすくなるでしょう。
あまり発言する経験が少ないまま社会人になると、人前でのプレゼンテーションはとても緊張してしまうものです。高校生のうちから自分の意見をしっかりと伝えられるコミュニケーションスキルが身につくと、社会人になってもさまざまなシーンで役立てられるでしょう。
高校留学の滞在方法は、ホームステイか寮生活です。親元を離れて生活することになるため、自立心や行動力が育まれます。親が食事やお弁当の準備をしてくれることも、朝起こしてくれることもありません。
ステイ先で朝食や夕食を用意してくれるのが一般的ですが、ランチは用意された具材を使って自分でサンドイッチを作るケースもあります。また、寮生活で朝寝坊して食堂の時間に間に合わなかったということも起こるかもしれません。親元から離れて暮らすことで、強制的に身の回りのことは自分でやらなければいけないため、自然と自立心が育ちます。
また、「困っている」「わからない」ときは、しっかりと自分で発信することが求められます。「黙っている」=「とくに問題がない」と相手に受け取られるため、普段の生活や授業では、困ったことや質問があれば、勇気を出して聞くことが大切です。
このとき、「英語でどのように質問すればよいか調べる」、「相手に質問する」ということを繰り返し行うことで、自分で解決する力が育っていきます。留学は、困っていたら黙っていても親が助けてくれる状況を抜け出し、積極的な行動力を育てる場でもあります。
日本に暮らしている人のほとんどが日本語を話し、比較的共通した価値観を持っています。しかし、海外に出てみると「見た目・言葉・価値観」が同じであることが珍しいことに気づかされます。
世界にはさまざまな価値観を持つ人が存在し、日本では当たり前なことが海外では当たり前ではなくなり、驚く体験をたくさんするでしょう。海外留学は、相手の価値観を理解して認める力が養われ、自分自身の許容と可能性を広げることにつながります。
インターネットなどが発達し、簡単に海外とつながれる現代では、将来的に海外の人達とも仕事をする機会が増える可能性があります。高校留学で多様な価値観、文化に触れて身をもって体験したことは、きっと役に立つはずです。視野や考え方が柔軟になり、グローバルなフィールドでも物怖じしないマインドが育つでしょう。
高校生のうちは、まだまだ多感で悩み事も多い時期です。この時期に海外留学する経験は、自分自身や抱えている悩みを客観的に捉えられる機会です。
日本に住んでいると海外と比べることはなく、良し悪しを気にすることはありません。しかし留学経験によって日本の良い点や悪い点を発見し、海外から比べると日本は独特な文化だと気づかされます。
日本が独特な文化だと実感した経験、多様な価値観や文化を受け入れるマインド形成によって、広い視野で物事を捉えられるようになります。「もっとこうしたほうがいいのでは?」と解決策につながり、「悩んでいたことはたいしたことじゃなかった」と思えるようになるかもしれません。
高校留学は多くのメリットが見込めますが、高校生ならではのデメリットもあります。
高校留学は国内の高校に通うよりも、費用がかかる点がデメリットです。高校留学の費用は、留学の種類や国によって大きく異なります。
【高校留学の種類別、1年間留学費用】
高校留学は以下の2つに大別できます。
交換留学は費用を抑えられる留学方法です。国の機関や高校が実施している留学プログラムで、それぞれの国同士や高校同士で高校生を交換するシステムです。そのため、留学先での学費や滞在費は基本的にかかりません。
留学先の国や学校を自由に決められる留学方法ですが、学費や滞在費などを自己負担するため交換留学よりも費用はかさみます。期間を自由に決められるため、長期休みを利用する短期留学や、卒業するまで現地の高校に通う留学もあります。
【国別(英語圏)、1年間の留学費用】
英語圏の留学先の一例です。国により大きく異なりますが、名門や有名な学校の場合はさらに高額になることもあります。
・イギリス:約300~600万円
・アメリカ:約200~600万円
・オーストラリア:約200~600万円
・カナダ:約200~450万円
一方、国内の高校(全日制)の年間にかかる教育費は、公立高校で約50万円、私立高校で約105万円ほどです。費用を抑えられる留学方法や国を選んでも、国内の高校と比べると大きな差があることがわかります。大学進学の費用も備えるとなると、留学資金は計画をもって蓄えておく必要があります。
留学して言語がまだまだわからないうちは、ちゃんと語学を習得できるのか、このまま留学生活を続けられるか不安になるでしょう。
語学力がなければ、生活面で不便なことや困ったことがあってもうまく伝えられずストレスにつながります。周囲とうまくコミュニケーションをとれないことで、自分だけ会話の内容がわからないという孤独感が生まれ、友達もなかなかできず相談もできないという状況に陥るかもしれません。
言語の壁にぶつかったときには、積極的に話しかけることが一番の解決策です。わからない言葉を調べ、意志を伝えようとする積極的な行動が、次第に自分を助け成長させてくれるでしょう。
留学先での生活が刺激的で楽しいものだったとしても、日本での生活や家族が恋しくなりホームシックになることがあります。文化の異なる海外では食事のメニューや食事方法も全く異なるため、日々の食事が辛くなるかもしれません。ステイ先の料理やその国の食文化を大切にし、用意してくれた食事をありがたく美味しくいただく姿勢が大切です。
しかし、「肉料理や揚げ物が多くてつらい」、「ラインナップが同じで飽きた」ということがよく起こってしまうことも事実です。そのようなときには、自分で料理にチャレンジしてみるのがよい解消法です。とくに日本食は海外でも人気が高まっているため、みんなに料理を振る舞うと喜んでもらえるかもしれませんし、よいコミュニケーションにもなるでしょう。
日本から、インスタントやレトルト食品を持って行くのもおすすめです。ホームシックにかかったときにホッと一息つかせてくれるだけでなく、ステイ先にお土産でプレゼントすると話のタネにもなります。
高校生の時期に留学すると、国語力の低下が懸念点として挙げられます。留学で視野が広がり、言語を含めたさまざまなスキルを習得できますが、国語力の低下を防ぐ対策が必要です。
留学先では国語を習うこともなければ、日本語を使用する環境も少なく、漢字を読み書きする機会もほとんどなくなります。そのため、高校生の国語力からレベルアップせず、漢字を忘れていたり単語が出なかったりと低下につながることがあります。
帰国後に大学受験を控えている場合は、留学先で国語のテキストを開くことをおすすめします。
高校生で海外留学すると、帰国後に同級生と同じように進級や卒業できるか、大学入試の受験勉強に遅れが出るのではないかと心配される方もいるでしょう。高校留学は留学先での履修単位や留学時期について、よく考えることが大切です。
まず単位についてですが、休学して海外留学したからといて、必ず留年したり卒業が遅れたりするわけではありません。留学先で履修した単位は、36単位までの移行が認められています。ただし、留学の種類や日本の在籍校によって対応が異なるため、留学を考える場合は早めに確認する必要があります。
日本の大学に進学するときは、留学時期と期間がポイントです。1年間の留学を希望する場合、アメリカやカナダなど9月スタートの国は「高校1年生の夏」、オーストラリアやニュージーランドなど2月スタートの国は「高校生1年生の冬」に留学を始めるのがよいとされています。
高校2年生の留学からでも留学は可能ですが、大学入試の受験勉強の時期と重なってしまい、時間が足りないという事態になりかねません。そのため、高校2年生のタイミングで留学する場合は大学受験も視野に入れ、留学先での選択科目は得意な科目や苦手な科目を考えて選ぶとよいでしょう。
1年の留学が難しいと感じる場合は、6か月や数週間の留学も選択肢のひとつです。留学期間が短いと語学の習得率が下がると心配されるかもしれないですが、高校生の時期に海外に触れる経験は語学の習得以上に得られるものもあり、大きな価値や意味があるはずです。
語学以外の科目は、受験勉強が大変になるかもしれません。しかし、留学経験を活かした自己推薦入試や、2年以上の留学の場合は帰国子女入試の制度も利用できるため、一般入試では難しい大学進学の可能性も広がります。
高校留学で考えられるトラブルは、「置き引き・スリ・盗難」の軽犯罪や「ホームステイ先」でのトラブルです。
置き引きやスリなどの被害は、海外旅行でも注意しなければなりません。日本は治安がいいため、貴重品から目を離して手荷物をテーブルに置いたままにすることがありますが、海外では絶対にNGです。学校で「モノが盗まれる」というケースもあるため、学校でも貴重品は肌身離さず持ち歩き、不要なものは持って行かないことが対策になります。
また、トラブルに巻き込まれないように夜間の外出はしないこと、昼間でも治安の悪いエリアには近づかないことが大切です。ホームステイ先の周囲の環境や、危険な場所がないかをチェックしておき、トラブルがあった場合は、ホームステイ先や学校の担当者などに相談しましょう。
トラブルは、ホームステイ先でも起こる可能性があります。基本的にホームステイ先は信頼できる家庭ばかりですが、ごく稀に自分だけ食事が提供されないなどの対応をされるケースがあります。このようなトラブルが発生した場合は、留学エージェントに相談してください。
高校生は大学受験を控えていたり、進路を考えたりする大切な時期です。実りある留学にするためのポイントを4つご紹介します。
高校留学を経てどのような自分になりたいか、目標を定めることが成功させるポイントです。「語学をマスターする」、「海外体験してグローバルな思考を手に入れる」、「コミュニケーションスキルの向上」など目標を明確に持つことで、現地でどのように過ごせばよいかが見えてきます。
留学での経験は成長につながりますが、目標があいまいだとせっかくの成長の機会が伸び悩んでしまう恐れがあります。とくに目標がない、なんとなく行ってみたいという場合は、まずは短期留学をしてから考えてみてもよいでしょう。
留学の前に、最低限のコミュニケーションがとれるように語学勉強をすることが非常に重要な事前準備です。高校留学で語学を学ぼうと考えていると、失敗するリスクが高まります。授業が外国語で進められるためついていけず、先生や同級生に質問したくてもできない状況が起こります。学校生活やホームステイ先でもなかなか溶け込めず、モチベーションの低下につながることも考えられます。
そのため、語学の勉強はできるだけ磨いておくのがベストです。ギリギリの日常会話レベルさえあれば、周囲との交流ができてモチベーションにもつながるでしょう。
高校留学では、「大学はどうするか」、「どのような仕事に就きたいか」といった将来像を描いておくことも大切です。たとえば、「日本の大学と海外の大学のどちらに進学するか」によって、留学期間や時期を考慮する必要があります。
また、「将来どのような仕事をやってみたいのか、そのためには何が必要か」ということがわかると、学校選びのポイントになります。高校留学でどのように成長し、将来にどのように役立てたいか、将来像を描けているかが大切です。
留学先の学校選びは、非常に重要です。「ハイレベルな学校に入って成長したい」、「有名な学校だから安心」という理由だけで選んでしまうと、相当の苦労をすることになるでしょう。
レベルが高いというだけで実力の合っていない学校を選ぶと、授業についていけず置いてきぼりになります。理解度に差がありすぎて授業では質問しにくくなり、正確に理解できないまま留学を終えてしまう失敗しやすいパターンです。学校がハイレベルという理由だけで、自分自身がレベルアップできるわけではないため注意が必要です。
たとえば、留学生向けに語学を習得できるコースを設けている学校や、大学生レベルの授業を行う学校もあるため、レベルに合わせた学校を選ぶことが大切です。また、高校により専門分野も大きく異なるため、自分の目標にあったプログラムが用意されているかも確認しながら選びましょう。
高校生は、柔軟性があり語学を吸収しやすい年齢です。大学進学など将来の進路を考える大切な時期でもあるため、高校留学の経験が活かされ選択肢の幅が広がります。高校留学を成功させるポイントを押さえれば、最大限のメリットを実感できるでしょう。