TOP > 高校留学World情報通信 > 3年間高校留学をするメリットは?費用についても解説
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頭が柔らかい高校生の時期は、留学に最適なタイミングの一つです。特に「3年間」の高校留学は、英語力が身につくだけでなく、考え方や価値観が大きく変わり、将来の可能性をグンと広げてくれます。
しかし、長期間の留学には費用や生活面での不安もつきものです。「3年間でどれくらい成長できるの?」「費用はいくらかかる?」「途中で挫折したらどうしよう…」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、3年間の高校留学で得られるメリットと知っておくべきデメリット、国別のリアルな留学費用、利用できる奨学金制度、必要な英語力の目安まで、詳しく解説します。
高校留学を具体的に検討し始めるための情報を網羅しているので、ぜひ最後までご覧ください。
3年間の高校留学に行く前に押さえたいポイントは以下の4つです。
・日本とは全く違う環境での生活で度胸やマインドが育つ
・英語を学ぶことで将来の選択肢が増える
・留学先の国によっては比較的安く高校留学することも可能
・高校留学に使える奨学金もある
3年間の高校留学で得られるメリットとデメリットについてそれぞれご紹介します。
宗教や生活習慣、食事、時間に対する感覚など、日本で「当たり前」だと思っていたことが通用しない環境に身を置くことになります。最初は戸惑うことも多いでしょう。
しかし、日本とはまったく違う環境での3年間の生活は、自分がいかに狭い常識の中で生きていたかを気付かせてくれます。多民族・多文化が共生する社会では、「普通」は一つではないことを肌で体感します。この経験は、物事を多角的に見る柔軟な思考や、自分と異なる背景を持つ人々への深い理解力を養い、将来グローバルな舞台で活躍するための強固な土台となります。

高校留学では親元を離れ、ホームステイ先や寮で生活することになります。洗濯や掃除、お金の管理といった身の回りのことは、基本的にすべて自分でやらなければなりません。
それだけでなく、精神的な自立も求められます。勉強でつまずいた時、友達と上手くいかない時、ホームシックになった時。まずは自分で考え、ホストファミリーや学校のカウンセラーに英語で相談し、解決策を探るというプロセスを繰り返します。この「自分で問題解決を図る」経験こそが、将来困難に直面した時に乗り越える力、すなわち本物の自立心を育てます。
海外の高校では、一般的な科目に加え、日本ではあまり馴染みのない多様な選択科目が用意されています。例えば、演劇、心理学、プログラミング、デザイン、木工、自動車整備など、国や学校によって特色は様々です。また、授業も暗記中心ではなく、ディスカッションやプレゼンテーション、グループでのプロジェクトが中心となります。放課後はクラブ活動やボランティア活動も活発です。こうした多様な学びや体験を通して、日本では気付かなかった自分の新たな興味や才能を発見する絶好の機会となるでしょう。
海外の授業では、黙って座っているだけでは評価されません。「意見がない」「理解していない」とみなされてしまいます。わからないことはその場で質問し、テーマに対しては自分の意見を明確に述べることが求められます。
また、友人関係においても、自分から積極的に話しかけなければ輪に入っていくのは難しいでしょう。最初は失敗を恐れて発言をためらうかもしれませんが、3年間を通して「自分の意志で行動し、発信する」ことが当たり前の習慣になります。この主体性は、大学進学後や社会に出てからも不可欠なスキルです。

多くの留学先、特に多民族国家では、髪や肌の色、バックグラウンドが異なる人々が共存しているのが日常です。そこでは「他人と違うこと」が当然であり、むしろ個性が尊重される傾向にあります。
日本の「空気を読む」「周りに合わせる」といった文化から一旦離れ、自分の考えや「好き・嫌い」を素直に表現することへの抵抗感が薄れていきます。他人の目を過度に気にすることなく、自分の価値観を大切にできるようになることで、自己肯定感が高まり、自分らしさを堂々と発揮できるようになるでしょう。
3年間、授業も、友人やホストファミリーとの会話も、テレビも、街の看板も、すべてが英語(または現地語)という環境に身を置けます。これは、単にテストの点数を上げるための英語学習とは全く異なります。ジョークやスラング、皮肉といったニュアンス、文化的背景を伴う「生きた言葉」を日々浴び続けることで、実践的なコミュニケーション能力が鍛えられます。
3年という期間は、日常会話はもちろん、専門的なテーマについて深く議論し、ネイティブと対等に渡り合えるレベルの高度な語学力を習得するのに十分な時間と言えるでしょう。
現地の高校を卒業すれば、その国の大学はもちろん、世界中の大学への進学が視野に入ります。一方、日本の大学を目指す場合でも、高校留学の経験は「帰国生入試」や「AO・推薦入試」において、他の受験生にはない圧倒的な強みとなります。さらに、その先の就職活動においても、高い語学力はもちろんのこと、3年間海外で生活し、異文化適応力や主体性、問題解決能力を培った経験は、グローバルに展開する企業から高く評価されます。「海外でやり遂げた」という自信が、将来のキャリアを考える上で大きな武器となり、人生の選択肢を格段に広げてくれるのです。

基本的に高校留学を途中で辞めた場合、授業が残っていても授業料は返金されません。全ての学校でそうと決まっているわけありませんので、入学手続きの際は返金規定を必ず確認してください。
また途中で高校留学を辞めて帰国し、日本の高校を卒業できなかった場合は最終学歴が「中卒」になってしまいます。中卒が悪いわけではありませんが、就職や進学に不利になってしまうのが現状です。病気や怪我など止むを得ない理由がない限り、くじけずに留学先での卒業を目指しましょう。
次の章で詳しく解説しますが、3年間の留学には高額な費用がかかります。国や学校(公立・私立)によっては、日本の高校・大学に進学するよりも大幅に費用がかさむ可能性があります。家庭の経済的な負担は大きなデメリットと言えるでしょう。

海外の高校のカリキュラムは、当然ながら日本の大学受験(特に一般入試)に対応していません。現地の授業の予習・復習や課題に追われる中で、日本の大学入試で求められる科目(例:古文、漢文、日本史など)の勉強を並行して進めるのは非常に困難です。帰国生入試やAO・推薦入試、または海外大学進学という選択肢もありますが、日本の一般入試での難関大学合格を目指す場合、高校留学が不利に働く可能性も考慮しておく必要があります。
高校留学を具体的に検討し始めると、やはり一番の関心事は「費用」でしょう。3年間という長期間にわたるため、ある程度まとまった資金が必要になります。
しかし、単に「総額〇〇〇万円」と聞いても、その実態は掴みにくいものです。なぜそれほどの金額になるのか、どの部分で調整が可能なのかを理解するためには、まず「費用の内訳」を正確に把握することが大切です。
しっかりとした資金計画を立てるためにも、留学費用が主にどのような項目で構成されているのかを確認していきましょう。
・学費:授業料、教材費など
・滞在費:ホームステイ代または寮費、食費
・渡航費:往復の航空券代
・各種保険料:海外留学生保険など
・その他:ビザ申請費用、お小遣い、アクティビティ費など
ご覧のように、留学費用は大きく分けて「学費」と「滞在費」が大部分を占めますが、それ以外にも渡航費や保険料、現地での生活費など、見落としがちな費用が多数存在します。
特に学費や滞在費は、留学する国や都市、また学校が公立か私立かによって大きく変動する部分です。例えば、一般的にアメリカやイギリスの私立(ボーディングスクール)は高額になる傾向があり、カナダやオーストラリア、ニュージーランドの公立高校は比較的費用を抑えられる傾向にあります。
また、お小遣いやアクティビティ費も、本人の希望やライフスタイルによって大きく変わるため、事前に家庭内でルールを決めておくと安心です。
正確な総額を知るためには、これらの項目を一つひとつ確認し、希望する国や学校の情報を集めながら試算していく必要があります。
高校留学先に人気のある国の、3年間高校留学の費用をご紹介します。(※費用は為替レートや学校、滞在方法によって大きく変動します。あくまで目安として参考にしてください。)

3年間高校留学の費用:780万円〜1320万円
時差:およそ14時間
アメリカは高校留学の留学先として1番人気があり、世界中から留学生が集まる国です。現地の生徒とだけでなく、さまざまな国の生徒たちとコミュニケーションできるのもメリットの1つでしょう。観光地も多くエンターテイメントも盛んですので、勉強以外の楽しみも多い国です。

3年間高校留学の費用:1350万円〜2100万円
時差:9時間
歴史的なお城や建物が多く、映画「ハリーポッター」の舞台としても有名な国です。
イギリスの高校留学は基本的に私立高校に入学することになり、公立高校への留学はできません。授業は20人ほどの少人数制で、生徒の個性を尊重し才能や能力を伸ばすことを重視した教育を受けることができます。

3年間高校留学の費用:公立600万円〜750万円、私立750万円〜1200万円
時差:1時間前後
オーストラリアは広大な自然が魅力の国です。エアーズロックやグレートバリアリーフなど有名な観光地もたくさんあります。オーストラリアへの高校留学は公立高校が人気です。オーストラリアの高校はクラブ活動が盛んで、ラグビーやバスケットボール、水泳などのクラブ活動には留学生も参加することができます。

3年間高校留学の費用:公立570万円〜900万円、私立900万円〜2100万円
時差:17時間
文化・自然の分野で登録されている世界遺産が20ヶ所あるなど、カナダには美しい自然があります。治安が良いことでも有名で、世界の住みやすい都市ランキングの上位にもなっています。留学費用が他の国に比べて安く、留学生をサポートする体制が整っているので留学におすすめの国といえるでしょう。

3年間高校留学の費用:公立690万円〜840万円、私立780万円〜1200万円
時差:4時間
ニュージーランドは日本と同じく火山のある国で、温泉を楽しむ文化があります。山や川、湖など自然も豊かで、のどかな雰囲気が漂う国です。ニュージーランドの高校では必須科目がなく、自由に科目を選択して勉強できるので得意を伸ばすことができます。
3年間の高校留学には奨学金を使うことができます。3年間高校留学に使える給付型と貸与型の奨学金についてみていきましょう。
給付型の奨学金は、原則として受け取ったお金を返済する必要がありません。ただし奨学金を受け取るには高い語学力があること、成績が良いなど厳しい条件をクリアしなければなりません。
文部科学省が主導している「トビタテ!留学JAPAN」は幅広い留学プランで利用することができ、3年間高校留学も対象になる奨学金です。奨学金を受けられる生徒の人数が限られているため応募倍率はやや高いですが、留学への意欲がある生徒は応募してみましょう。(※制度内容は変更される場合があるため、必ず公式サイトで最新の募集要項を確認してください。)
貸与型の奨学金は、留学後に借りたお金を返さないといけない奨学金です。返済期間や利率はそれぞれの奨学金で異なります。貸与型の奨学金は給付型の奨学金ほどお金を借りる条件は厳しくありません。
代表的なものとして、貸与型の奨学金には「日本政策金融公庫」の教育一般貸付があります。中学卒業以上のお子様の幅広い用途に利用できますので、3年間高校留学の費用として借りることも可能です。
3年間高校留学に必要な英語力は留学先によって変わりますが、英検3級〜準2級の英語力があるのが望ましいでしょう。英検3級〜準2級の英語力とは、中学校で習う英語レベルです。なかには英語力を問わない留学先もあるので、英語に自信が無くても高校留学を諦める必要はありません。

3年間高校留学をするメリットは、頭が柔らかい高校生のうちに本場の英語を学べることです。英語を習得するスピードも速いですし、海外の文化や習慣も難なく受け入れられるでしょう。
留学先の国によって学べることや体験できることはさまざまです。3年間の高校留学は、費用も時間もかかる大きな決断ですが、そこで得られる経験は、将来のかけがえのない財産となるでしょう。まずは自分の希望や不安を整理し、信頼できる留学エージェントに相談するなど、具体的な情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。